年末年始の慌ただしさが過ぎ去り、人が少なくなったのを見計らい念願の神戸へ行ってきました。
神戸観光はエリアごとに様々な見どころがありますが、その中でも北野エリアの異人館街は歴史ある建物があちこちにあり1日ではめぐりきれないほど。中でもクラッシックな雰囲気の「萌黄の館」と「風見鳥の館」はぜひ西洋建築好きの方に見ていただきたい!ということで、少しだけご紹介します。
「萌黄の館」、正式には小林家住宅・旧シャープ家と呼ばれています。1903年(明治36年)にアメリカ総領事ハンター・シャープ氏の邸宅として建築。設計者はイギリスのアレクサンダー・ネルソン・ハンセルではないかと推定されているそう。
中でもこのお屋敷は部屋ごとに暖炉のマントルピースと床のタイルの色がそれぞれ異なっていて、こだわりの意匠が随所にみられました。
ベランダの美しいこと…
直線的なデザインの窓枠サッシですが萌黄色が柔らかく、古いガラスならではの表面の揺らぎが日差しをさらにまろくしているようでした。
「風見鳥の館」
旧トーマス住宅というのが正式名称で、明治42年ごろにドイツ人貿易商ゴットフリート・トーマス氏が自邸として建てた建物。
設計者はドイツ人建築家のゲオルグ・デ・ラランデです。(江戸東京たてもの園にあるデ・ラランデ邸に住んでいたその人です。)
テラコッタカラーのレンガの外壁や石積みの玄関ポーチなど重厚感のある雰囲気。愛称のもとになった風見鶏が突塔の上に立っていて北野町の象徴になっているのだそう。室内はドイツ伝統様式を取り入れながらアールヌーヴォーの雰囲気も感じる内装でした。
階段手摺のこの曲線とかディテールがたまりません。
特別目を引くのが1階にある食堂で、中世城館風の天井小梁や飾り戸棚、暖炉飾り、電気ランプ、ステンドグラスなど細部まで見ごたえのある意匠ばかりでした。
ほぼ貸し切り状態に加えて西日の差す時間帯だったこともあり、幻想的な写真が取れました。
2階の朝食の間では机にこんな跡も。使い古されたフローリングやボタンが欠けてしまったスイッチなど暮らしの面影がうかがえるのも醍醐味です。
北野エリアにはイギリス皇室御用達のティーサロン、ホテルへ仕出しもしているおいしいパン屋さん、一粒からボンボンが購入できるチョコレートショップ、そして歴史ある建物でいただくアフタヌーンティーセット!など魅力的なお店がたくさんあります。
遠出がはばかられるご時世ですが、時機をみてぜひ足を延ばしてみてはいかがでしょうか。