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新木材で広がるデザイン(小倉室スタッフ)【名古屋本社】

2022/11/30

 

こんにちは。

 

先日金沢へ旅行に行った際、谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館へ行ってきました。

谷口吉生氏が設計したこの建築館では、常設展示や企画展、イベントを通して建築やまちづくりについての発信を行っています。

 

 

常設展示室では、迎賓館赤坂離宮和風別館「游心亭」の広間と茶室を原寸大で見ることができます。

模型ももちろん良いのですが、やはり同じスケールで見ることができるのはとても

魅力的です。

游心亭は1974年に谷口吉郎氏の設計により建設されました。

復元としての展示ではなく、現在も使用されている建物を再現するという展示は珍しく感じます。

 

 

 

 

 

 

純和風の広間は国賓や公賓の方をお迎えする場で、掘りごたつとなっています。

椅子座の文化をもつ外国の方にも優しいつくりとなっており、おもてなしの心を感じます。

広間から広縁の上まで続く斜めの天井が特徴的で、広場・広縁・水庭が繋がることでとても開放的なつくりとなっています。

窓の外の景色も美しく、座ってのんびりとしてしまいました。

 

他にも吉郎氏の卒業設計や吉生氏の設計のパネルを見ることができました。

 

 

 

また、企画展では「木で創る」-その蓄積と展開-が開催されており、伝統的な建築物の模型からハイブリッド木材などの新木材の展示が行われていました。

 

金沢は戦災や震災などに遭わなかったこともあり、木造建築が多く残る都市です。

木材の良さを知るとともに、金沢という土地についても知ることができる展示となっていました。

 

 

 

 

新しい木材の形として以下のものが展示されていました。

 

・木質ハイブリッド耐火集成材 柱・梁

鉄骨造でありながらも集成材を耐火被覆することによって木質感のある仕上げにすることができます。この部材によって都市部の防火地域で3、4階建てのオフィスビルや庁舎、学校、共同住宅などを木質感のある空間にすることができたそうです。構造計算は鉄骨と同様となっているため、その点でも利用しやすい部材となっています。

 

・純木造の耐火集成材・CLT

不燃薬剤を含浸したスギ板を積層接着して耐火被覆材を形成している、木材のみで作られた耐火部材です。荷重支持部材と耐火被覆材に分けることで施工性の向上を行っています。

 

・燃エンウッド®柱

火災が発生した際、木材が炭化することで遮熱層を形成するもえしろ層と、火災の熱を吸収し表面炭化の停止層となるせっこうやモルタルからできた燃え止まり層の二層の耐火被覆が耐火性能を確保しています。国土交通大臣の耐火認定を受けた技術となっています。

 

 

木材はあたたかみを感じさせ、意匠としても優れていますが、鉄やコンクリートと比べて強度や耐火性能は劣ってしまいます。

しかし、このような両者の良さを生かした新木材の登場により、実現できるデザインの幅も広がっていくかもしれませんね。

 

今まで旅行に頻繁に行くタイプではなかったのですが、自分の視野を広げ今後の設計に生かすためにも様々な場所に訪れたいです。

 

そのためにも、コロナ禍が収まり、のびのびと生活できる日々が返ってくることを願うばかりです。